この記事の内容は、わたし自身の学びや体験をもとにしたものです。
「子育てのヒントのひとつ」として、気軽に受けとめてもらえたら嬉しいです。
“やさしさと自分の声”|ハートフルさんの魅力と声かけヒント
―ハートフルさんのやさしさと、自分の気持ちを伝える勇気とのつきあい方―
「○○ちゃん、どうして言わなかったの?」
「嫌だったなら、ちゃんと言ってくれてよかったのに」
そう声をかけたとき、小さくうつむいて、首を横にふる。
「だって、先生が困ると思ったから」
「わたしがガマンすれば、うまくいくかなって思った」
そう答えるその子は、ハートフルさんかもしれません。
ハートフルタイプの特徴|人の気持ちに敏感な子
ハートフルさんは、空気を読む名人。
誰かの「うれしい」も「悲しい」も、すっとキャッチしてしまいます。
・困ってる子がいたら、さっと助ける
・お迎え待ち時間に、誰かがいたら、必ず自ら話しかける
・「わたしよりあの子に…」と譲ってしまう
一見、とてもしっかりして見えます。
でも、そのやさしさの裏には、
「自分の気持ちは、あとでいい」という思いがあるようなのです。
自分のことになると、話せなくなる
このタイプの子は、人のことならたくさん話せるのに、自分のことはなかなか言えないことがあります。
・「どっちでもいいよ」
・「○○ちゃんが選んでいいよ」
・「わたしは…別に…」
気持ちがないわけではない。
むしろ、たくさんの感情を心に抱えている。
でも、それを言葉にするタイミングがわからなかったり、
言ってしまったあとに「迷惑だったかな…」と不安になったりするんです。
帰り際に見せてくれた“ほんとうの声”
ある日の帰り際。
「今日はどうだった?」と聞くと、Cちゃんはちょっと笑って、こう言いました。
「○○くん、今日ちょっと元気なかった気がする」
「…あのね、ほんとは私、もう少しゆっくりやりたかったの」
そう言って、学習が終わったプリントを見つめるその横顔は、
周りに気を配りながらも、自分のペースを大切にしたかったことを、ようやく伝えてくれているように見えました。
その沈黙も、やさしさでできている
ハートフルさんの“沈黙”には、意味があります。
・まわりの空気を読んで言葉を選んでいる
・誰かを傷つけたくなくて、黙っている
・心の中では言いたいことがあるけど、言い方を探している
だから、無理に「ちゃんと言いなさい」と追い詰めてしまうと、
“もっと言えなくなる”こともあるんです。

”言えなかった気持ち”も、優しさの一部なんだね
声かけのヒント|学習・子育てで大切にしたいこと
✅ 遠慮して言えなかったときは
「言わなかったことも、Cちゃんのやさしさだったんだね。
でも、Cちゃんの気持ちも、聞きたいよ」
✅ なかなか質問ができず我慢していたときは
「今日はどうだった?楽しかった?悩んだことはあった?」
「あの場面で、ほんとはどうしたかった?」
✅ 小さな気持ちを話してくれたときは
「今のことば、ちゃんと伝わってきたよ。教えてくれてありがとう」
「話してくれたことで、Cちゃんのこともっとわかった気がするよ」
自分の気持ちを大切にする練習
ハートフルさんにとって、「自分の意見を言う」ことは、
小さな挑戦の連続です。
・言ってもいいのかな
・わがままだと思われないかな
・迷惑じゃないかな
そんな思いと戦いながら、
少しずつ自分の声を見つけていく旅の途中にいるのです。
だからこそ、伝えたい
「あなたの気持ちも、大切にしていいんだよ」
「まわりを思うやさしさも、あなた自身の思いも、どちらも同じくらい大事だよ」
ハートフルさんは、誰かのための“やさしさ”をいっぱい持っている子。
その子が、自分にもやさしくなれるように、
まわりにいる私たちが、そっと背中を押してあげられたらいいですね。

「まわりへの思いやりと同じくらい、自分の声も大事にしていいよ」
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