この記事の内容は、わたし自身の学びや体験をもとにしたものです。
「子育てのヒントのひとつ」として、気軽に受けとめてもらえたら嬉しいです。
昨日の教室。
夕方の光が差し込むなか、子どもたちが一人また一人と入室し、席に着いていきます。
私は少し髪を整えて教室で迎え入れの準備をしていました。まさかこの小さな変化に気づく子はいないだろう、と思っていました。
すると、すぐに声が届きました。
「先生、髪切ったの?」
その一言に、驚くとともに自然と笑顔がこぼれました。
じっくりタイプさんのまなざし
最初に声をかけてくれたのは、じっくりタイプさん。
彼はプリントを机に広げる前に、しばらく私の顔をじっと見つめていました。
「髪、短くなった?」
少し控えめで、確かめるような声。観察して、頭の中で整理してから言葉にする――そんな丁寧さが、その子らしい姿でした。
じっくりタイプさんは、自分の中で納得したうえで行動することが多い子です。だから「気づいたことをすぐに口に出す」というより、「本当にそうかな」と心の中で確認してから声をかけてくれるのです。その慎重さに、彼の誠実さを感じました。
ハートフルタイプさんの明るさ
一方で、ハートフルタイプさんは全く違うアプローチでした。
教室に入って私を見た瞬間、ぱっと表情が明るくなり、弾む声で言いました。
「先生、髪切った!かわいい!」
彼女の言葉には、相手を喜ばせたい気持ちがそのまま表れていました。
「気づいたことをすぐに伝える」――その素直さは、教室の空気まであたたかくしてくれます。彼女が発する一言には、周囲を和ませる力があるのです。
共通しているのは「相手を思う心」
じっくりタイプさんとハートフルタイプさん。
表現の仕方は違っても、二人に共通しているのは「相手軸」で物事を見ているということ。
- 相手の変化に気づく
 - それを言葉にして伝える
 
これらは、学習とは直接関係ないように見えるけれど、人との関わりの中で大切な力です。子どもたちは自然とその力を磨きながら、日々のやりとりを重ねているのだと感じました。
教室での学びは点数だけではない
学習の成果やテストの点数はもちろん大切です。
けれど、それ以上に心に残るのは、こうした日常の一コマ。
「先生、髪切ったの?」というささやかな声かけには、子どもたちの観察力や思いやり、そしてその子らしい個性が詰まっています。
ご家庭でも、きっと似たような瞬間があるはずです。
服を替えたとき、食卓に新しいおかずが並んだとき――子どもが気づいて声をかけてくれる。その一言に、親も心がふっとあたたかくなる。そんな小さなやりとりが、日常を豊かにしてくれるのではないでしょうか。
子どもたちの個性から学んだ一瞬
「気づいて言葉にする力」は、点数には表れないけれど、大切な学びのかけらです。
観察し、相手を思い、思いやりを行動に変える――その積み重ねは、子どもたちが未来を生きていく力になります。
じっくりタイプさんやハートフルタイプさんは、普段からお友だちの変化や困っている様子に気づき、私にそっと伝えてくれる存在です。いつも他者に心を配れる、やさしい気持ちの持ち主だと感じます。
今回の髪型という小さな変化への反応も、その子たちのまなざしを通して、個性タイプの確かさを改めて実感できた瞬間でした。私にとっても、新たな学びへとつながる一日となりました。
  
  
  
  

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