最初のまなざし
秋の光が差し込む午後。
教室の中には、いろんなテンポの子どもたちがいます。プリントを配る前から鉛筆を握って待っている子がいました。
「早く始めたい!」という気持ちが全身から伝わってきて、その姿に思わずこちらも笑ってしまう──そんなスピードスタータイプの子のお話です。

その日の教室で
「もう終わったよ!見ててね!」
そう言って、誰よりも早くプリントを終えたあの子。
机の上には、勢いよく走った鉛筆の跡と、満足そうな笑顔がありました。
スタートの速さも、判断の速さも、まさにスピードスターそのもの。
けれど、そんな中にも小さな“うっかり”が顔をのぞかせます。
「ここ、もう一回見てみようか」
そう伝えると、「えっ、ほんとだ!」と目を丸くして、すぐに直していました。
その切り替えの速さに、思わずこちらも笑ってしまいます。
間違いに落ち込むより、次の動きへ切り替えるその速さ。
それもまた、このタイプらしい魅力だと感じます。

教室の片隅で思ったこと
スピードスタータイプの子は、いつも風のように動いています。
考えるより先に手が動き、気持ちがそのまま行動になる。
だからこそ、教室の空気を明るくしてくれる存在です。
一方で、同じ時間に“じっくりタイプ”の子が静かに問題と向き合っていることもあります。
テンポは違っても、どちらの姿にもその子らしさがちゃんとあります。
この子が教えてくれたこと
勢いよく鉛筆を走らせる姿を見ていると、学ぶことを「楽しむ力」は、こういう瞬間に宿っているのかもしれません。
今日もまた、「見ててね!」という声が教室に響きます。
その明るさに、教室全体が少しあたたかくなった気がしました。

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勢いの裏にある“くやしさ”|スピードスタータイプの挑戦心(第2話)
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スピードスタータイプの特徴と関わり方のヒント
スピードスタータイプの子どもは、行動力と吸収力が魅力。特徴や注意点を理解し、学習や子育てで才能を伸ばす声かけ・関わり方のヒントを紹介します。


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